からだ
不妊手術について
不妊手術は、母体保護法に基づいて行われる手術で、生殖腺を摘出せず、将来的に妊娠しない状態とするための手術です。
女性では「卵管結紮(けっさつ)術」、男性では「精管結紮(けっさつ)術」と呼ばれます。
| 不妊手術の「同意」について |
不妊手術は「母体保護法」に基づき、原則として次の同意が必要です。
- 本人の同意(必須)
- 配偶者(事実婚の相手方を含む)の同意(結婚をしている場合)※
※配偶者には、「届出をしていないが事実上婚姻関係と同様な事情にある者も含む」とされています。
※例外として、「配偶者が知れないとき又はその意思を表示することができないとき」は本人のみの同意で足りるとされています。詳しくは、医療機関に問い合わせてください。
女性の場合(卵管結紮術)
卵管結紮術とは、卵管を糸で結ぶ(卵管結紮(けっさつ))、クリップで挟む又は切断し、卵子と精子が受精する経路を遮断することで妊娠を防ぐ手術です。
主な作用・効果
- 長期間にわたり高い避妊効果(99%以上)が期待できます(ただし、完全に妊娠を妨げるものではありません。)。
- 受精の場を妨げる手術であり、その他の機能(女性ホルモンの分泌や月経の有無)には影響しません。
手術について
- 卵管結紮手術は、産婦人科で受けることができます。
- 出産(帝王切開、経腟分娩)の際に手術を受けることができます。
- 出産以外の時は、腰椎麻酔または全身麻酔のもと、腹腔鏡手術または開腹手術で行われます。
- 腹腔鏡手術の場合は日帰りで実施されることが多いですが、麻酔の回復に時間がかかったり、気分が悪い状況が続く場合は、入院が必要になることがあります。
- 開腹手術となる場合は、術後の経過をみるために入院が必要になることがあります。
※なお、手術を行う医師は、母体保護法指定であることは必須ではありません。
費用について
- 避妊を目的とした卵管結紮術は、保険適用外(全額自己負担)となります。費用は、医療機関によって異なります(概ね5~10万円程度)。手術費に加え、検査や薬剤費が別途必要になる場合あります。具体的な費用は、医療機関に問い合せてください。
主な副作用
- 術後の痛み、腹部の張り、少量の出血、傷口まわりの腫れ、発熱、感染など
留意点
- 一度行うと元に戻すことが難しく、将来妊娠することが極めて困難となります。
- 性感染症を予防する効果はありません。
受診の目安
- 将来妊娠の予定がなく、確実な避妊を考えはじめたとき
- 他の避妊方法(ピル・IUS)が合わない場合
- 手術のメリット・デメリットを医師と確認したいとき
- 手術後、手術部位に強い痛みや腫れがあるとき、おなかの強い痛みや出血があるとき
男性の場合(精管結紮術)
精管結紮術とは、精子の通り道である精管を糸で結ぶ(精管結紮(けっさつ))又は切断(精管切断(パイプカット))することで、精液に精子が混ざらないようにして妊娠を防ぐ手術です。
主な作用・効果
- 長期間にわたり高い避妊効果(99%以上)が期待できます(ただし、完全に妊娠を妨げるものではありません。)。
- 性機能やホルモン分泌に影響せず、日常生活や性的機能への影響はほとんどありません。
手術について
- 精管結紮手術は、泌尿器科で日帰りで受けることができます。
- 手術は局所麻酔で行われ、手術時間はおおむね20分程度と短く、身体への負担が比較的少ないとされています。
※なお、手術を行う医師は、母体保護法指定であることは必須ではありません。
費用について
手術は保険適用外(全額自己負担)です。費用は、医療機関によって異なります(概ね5~10万円程度)です。手術費に加え、検査費用が別途かかる場合があります。詳しくは、医療機関に問い合わせてください。
主な副作用
- 術後の痛みや腫れ、内出血、精巣周辺の違和感(しこり)、精子の漏出により炎症反応など
留意点
- 手術後、数か月間は、精嚢に残っている精子が精液に含まれることがあるため、手術後、精液に精子が含まれないか確認できるまでは、他の避妊方法を併用する必要があります。
- 元に戻す手術をしても、妊娠に至らない可能性があります。
- 性感染症を予防する効果はありません。
受診の目安
- 将来的に妊娠を希望せず、確実性の高い避妊方法を選択したいとき
- 手術のメリット・デメリットを医師に確認したいとき
- パートナーの避妊負担を軽減したいとき
- 手術後、強い痛みや腫れ、発熱、しこりなどの違和感や、不快な症状があるとき