からだ
性感染症

性感染症とは、性行為によって感染する病気の総称で梅毒、淋病、クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭(せんけい)コンジローマ、HIV感染症(エイズを含む)など10種類以上あります。
性感染症は症状が出にくいことや、軽いことがあります。そのため、気づかないまま性行為を続け、感染を広げてしまう可能性があります。いずれの性感染症も放置すれば進行し、不妊や生殖器のがん、他の感染症にかかりやすくなる恐れがあります。
特に、生殖年齢にある女性が性感染症に罹患した場合には、母子感染(母親から赤ちゃんへの感染)により、先天性の体の障害の原因となり、放置すると障害が残る可能性もあります。
性感染症は、予防や早期発見が大切です。もし身体に何か気になる症状や異常を感じたら、医療機関(男性は泌尿器科、女性は婦人科)を受診し、医師に相談してください。
主な感染症
梅毒 |
男女ともに、若い世代で梅毒患者が急増しています。 梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症で、主にセックスなどの性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。一度治っても再び感染することがあるので、再感染の予防が必要です。 感染すると、3週間から6週間程度の潜伏期間を経て、性器・口・肛門などにできもの・しこり・ただれなどができますが、その後、症状が消えてしまうことや無症状のこともあり、気が付かないうちに病気が進行することもあります。 薬で治療ができますが、治療せずに放置すると脳や心臓に深刻な症状が出ることがあります。また、妊娠中の女性が感染した場合、胎児に感染して死産や早産になったり、生まれてから難聴になったりする「先天梅毒」と呼ばれる状態になることもあります。 |
性器クラミジア |
クラミジア・トラコマティスという病原体が原因で、性的な接触で性器、尿道、口、目などの粘膜に感染します。潜伏期間は1~3週間です。 日本で最も患者数の多い性感染症です。現在、若者(特に女性)を中心に感染者が急増しています。男女ともに症状が軽いため気がつかないことが多いため、放っておくと、男性は睾丸炎や前立腺炎に、女性は不妊症や子宮外妊娠の原因になることがあります。赤ちゃんに感染すると、結膜炎や肺炎の原因になるので妊婦検診でチェックします。治療で治っても、何度でも感染します。 |
淋菌感染症 |
淋菌という細菌が性器やのど、直腸などに感染します。潜伏期間は2~10日です。 淋病と呼ばれることもあります。男性では排尿時の激しい痛み、濃尿、かゆみ、不快感など。女性の多くは無症状ですが、おりものの増加や不正出血、進行すると下腹部痛などの不調が現れる場合もあります。クラミジアに次いで感染者が多く、最近は20代で増加しています。 |
性器ヘルペス |
単純ヘルペスウイルスというウイルスが原因です。潜伏期間は2~21日です。 1型(口唇ヘルペス)と2型(性器ヘルペス)があり、1型は幼少期にウイルス感染者から唾液を通じて感染し、50~80%がウイルスを持っていると言われています。2型は性行為によって、性器等下半身に感染し、一般的には10%程度の方がウイルスを保有しています。性の多様化により、1型と2型の区別はできなくなってきました。 一度感染すると、治った後でもウイルスは体内に残り、ストレスや疲れなど免疫が低下すると再発をします。 |
尖圭コンジローマ |
ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染により性器周辺に生じる腫瘍で、性的な接触により感染します。 感染後、数週間から2~3か月を経て、性器や肛門の周辺に鶏のトサカのようなイボができます。一般的に初期の場合には、痛みやかゆみなどの症状はほとんどありませんが、放置すると大きくなったり、数が増えたりします。 再発することが多く、繰り返し治療が必要です。治癒しても何度でも感染します。 |
HIV/AIDS |
HIV感染とエイズ(AIDS)の発症は同じ意味ではありません。 HIVはウイルスの名前で、英語の「Human ImmunodeficiencyVirus」の略称です。HIVは免疫のしくみの中心であるCD4陽性細胞という白血球に感染し、治療をしなければ、CD4陽性細胞が次々と破壊され、数が減るため徐々に免疫力が下がり、エイズを発症します。 エイズはHIVによって引き起こされる病気のことで、英語の「Acquired Immuno Deficiency Syndrome」の略称です。HIVに感染して数年後、免疫に大切な細胞が体の中から徐々に減っていき、本来なら自分の免疫力で抑えることのできる病気(日和見感染)など、様々な病気を発症します。この状態をエイズといいます。 |
- 急性期(HIV感染から約1~6週間後)風邪のような症状が出る人もいますが、無症状の人もいます。
- 無症候期(感染から数年~10年程度)数年から10年程度、無症状の時期が続きます。この期間には個人差があります。症状がなくても、ウイルスは増殖し、少しずつ免疫力が衰えてきます。
- エイズ発症期(感染から数年~10年以降)免疫力がさらに低下すると、健康であればなんでもない弱い細菌やウイルス、カビに感染したり悪性腫瘍ができたりします。この状態がエイズです。
その他の性的接触によって感染する可能性のある感染症 |
毛ジラミ 膣トリコモナス 性器カンジダ 非クラミジア性非淋菌性尿道炎・子宮頸管炎(マイコプラズマ・ジェニタリウム、ウレアプラズマなど) A型肝炎 B型肝炎 C型肝炎 アメーバ赤痢 細菌性赤痢 ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症) 性器伝染性軟属腫 軟性下疳 エムポックス |
予防方法について
セックスの相手を限定する |
不特定多数とのセックスは、おのずと感染の可能性が高くなりますし、誰から感染したのか相手を特定することが難しいので、自分が治ったとしても、再び感染する可能性があります。 「感染していない者同士のセックス」 では感染の可能性はありません。しかし、今はお互いに特定の相手しかいなくても、過去に他の人と性的接触があれば、過去のパートナーからの感染の可能性があります。 |
コンドームを必ず使用する |
感染を防ぐためには、相手の精液、膣分泌液、血液が自分の性器などの粘膜に直接触れないようにすることが大切です。感染予防には、コンドームを正しく使用することが有効です。 パートナーとの間だからこそ、コンドームや安全なセックスについてよく話し合いましょう。 オーラルセックス、アナルセックスでも性感染症に感染することがあります。感染を防ぐためにも、コンドームの正しい使用が大切です。 ただし、コンドームで完全に予防できない性感染症(例えば、梅毒や尖圭コンジローマなど)もありますので、注意してください。 ※コンドームの正しい使用方法については、こちら |
予防接種 |
性感染症のなかには、ワクチンで感染予防できるものがあります。予防接種には、A型肝炎やB型肝炎、他にも尖圭コンジローマや子宮頸がんの予防にHPVワクチンがありますが、いずれも任意接種です。(B型肝炎、HPVワクチンは一部接種年齢対象者は定期接種として接種できます。) ※HPVワクチンについて詳しくは、こちら |
(参考サイト)